ことばのはしきれ

ひらがなわーく ぽぽんのぽん

ながいながいねこのはなし

今日、気づいたことがある。
たぶん、そうだったんじゃないかなぁって。


話せば長いけど、書いておこう。
そんなこと気にしなくてもいいじゃん、って連れは笑いながら言ったけど。



3年ほど前、夏の暑い日、近所をうろついていた綺麗な野良の白猫が、
とても痩せて庭に来たことがあった。
今にも倒れそうで、かわいそうになぁと思ったけど、何もしてやれない。
1週間ほど悩んで、家の猫の食べ残しのキャッフードを裏に置き始めた。
暫くして、体重が戻った感じの白猫を見た。


その半年ほど前、庭で飼っていた老犬が亡くなっていた。
体が大きく気が小さい優しい犬で、昼間は家族皆出かけていたので、留守番の番犬だった。
休日に時々、その白猫ではないが、別の野良猫が犬の食べ残しを食べているのを見かけた。


朝は忙しく、食べ終わるまで待ってはやれないので、
食べ残しもそのまま。犬と猫で分け合って完食していたのだと思う。



以前は、野良猫に食べ物をやるのはご法度、やるなら飼いなさい、と、
自分にも子どもにも言って、庭に来た猫を2匹拾って飼っていた。
(今もいる。)


でもさすがに、3匹目は無理。
だけど、かわいそうだ。
かわいそうだが、私は2度、悪いことをしていた。



1度目は15年前。
最初に飼い始めた猫と一緒にいた、少し年取った黒猫を、当たらないようにだけど小石を投げて追い払ってしまった。
(一緒に飼うのは無理だったのだが、何もそこまで追い払わなくても。。うらめしそうな顔してこちらを見て、その後来なかった。)


2度目は8年程前。
老犬の食事を、ある時期大きな気の強い猫が食べに来ていて、
それも、食べ残しを食べるのではなく、
老犬の足を爪でひっかいてどかし、自分が先に食べたのだ。
それは困る・・・ということで、少し離れた場所に連れていき置いてきてしまった。
(これ、良くないよ。猫も土地勘が大事なので、難儀をしたと思う。)
(さらに言えば、その地域の人も困るでしょう、って。自分を責めたなぁ・・)


暫く後悔し(今も後悔してるけど)、ただホーキで追い払うだけでよかったのに、と、優柔不断な自分が嫌になった。



老父にその悩みを打ち明けたら、
「猫は野ネズミでも何でも自分で捕って食べるから大丈夫だぞ」
と言ってくれた。
父の時代は、猫は外で生活していて、野良猫もたくさんいたんだ。
(私の感覚の方がおかしかったのかもしれない、と、今はちょっと思ってる。)




それで、何に気が付いたかというと。
あの白猫が痩せてしまったのは、うちの老犬が無くなり、犬飯がなくなったからじゃないか?と、思いついたんだ。
つまり、私のせいだ。


私のせいだ、っていうのも変だが、私の行動が原因だった(犬に食べきれないほど餌をやる人間がいて、それを糧に生きる野良猫軍団?が地域に生息するようになり、犬の餌が途絶えたことで失業、いや、失食する猫が出て、他の餌場が見つからなかった猫は痩せていった、、)と。


笑い話のようで笑えない話のようで、ホントにそうだったのかどうかは勿論分からないが、人間と家猫の共生も古い歴史があり、人間の行動変化で、猫の生息地が微妙に変わり、いままで見たことない猫が来たり、いつもいた猫がいなくなったり、人間は人間だけに影響を与えているのではないと思った。
猫本人にはほんと重大事件だが、面白いなぁ、と。(ごめんね。)



その後1年ほどして白猫を見なくなり、外猫用のお供えも減らない日々となったので、しばらくやめていたが、1年ほど前、大雨の夜、これまた可哀そうな感じの野良太郎が玄関に現れた。


何日かの間、毎日来て(近所の玄関先を回っているようでもあった)、玄関でうちの猫たちと挨拶して行ったので、またこっそり、裏にお供えを置いた。
(家の中で猫が何か食べてるのが見えるから、ここには食べ物があると思うんだね。)


その猫もしばらくして、見なくなった。



自治体の条例では、野良猫への敷地内での餌やりはOKである。
庭で大小もしていくから、OK。
むしろ、ホーキで叩き出すのは、動物愛護の点からNGであると思われる。


自分の若い頃の常識って何だったんだろう、と思いながら、
野良猫が一匹もいない町なんてないよね、そもそもうちに来る前も生きていたのだから、お供えしてるの私だけじゃないよね、と、コソコソやっている。


それでも、野良猫の生活は厳しい。
子猫の時に拾われるか、拾われないかで明暗が分かれるのだ。


人間も、生まれる時に国や親を選べない、というような事がいえるのかもしれないが。




で、今は別の野良子ちゃん野良太くんの2匹が裏に寄って行く。
お供えは、何も減らない日もあり、空になる日もあり。


野良子ちゃんは、出会った最初から耳カットしてあった。
ご近所のどなたかがお世話して避妊してくれた子らしい。
とてもフレンドリー。こいつ絶対、餌場の家を何軒か持ってると思った。


野良太君は避妊してない。近寄ってこない。
大きくて黒茶の渋いまだら模様で、ちょい恐面。
でも、甘え声は出す。家猫の血筋。
目が今にも閉じそうで、よく見えない様子。


この野良太君、台風一過の今日久しぶりに姿を見たが、
以前は太って大きかったのに、とても痩せていた。
うちの猫と唸りあって裏に行ったので、見に出たら、私も一瞬唸られた。
見えないから周囲が怖いのかな、と思った。
触れないので、捕まえて医者にも連れていけない。
私も怖い。


ご飯は食べて行った。よかった。


どうしようかな。



今日はここまで。