ことばのはしきれ

ひらがなわーく ぽぽんのぽん

街路樹

駐車場から職場の入り口に続く道に
並んで木が植えられている


冬は丸坊主に刈り込まれ
春はちらちらと小さな芽吹きを見せ
夏は緑濃い陰影で心を和ませ
秋は鳥たちの賑やかな声に包まれる


この木は わたしがいなくなった後も
ここに残り 若い人たちの頭上に 木陰を作るだろう


若い人たちが年をとり いなくなったあとも
その子らの頬に 緑の葉風を送るだろう


人間の都合で植えたものだからかまわない と
別の都合で切ってしまえば
木の命は絶たれ
もう誰の上にも 緑の葉裏を見せることはない


しかし それはかわいそうだ と 思う人たち
木陰を好む人たちが願えば
幾世代 はるかな未来へ
かれらは 命をつないでいく


樹木とは そういう生き物なのだ


知らなかったなぁ


この木たちも わたしたちと共に生きているんだ


ゆさゆさと葉をゆすり おれも頑張ってるんだぜ と
言っているのかもしれないよ